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学習塾フランチャイズの本部を比べる評価シート25項目|確認方法と質問例つき

学習塾のフランチャイズに加盟するかどうかを決めるとき、もっとも時間をかけたいのが本部の見極めです。加盟金の額、サポートの中身、契約の条件、実績の示し方、教育方針との相性。どれも本部ごとに違い、説明を聞いた順番や担当者の印象によって、判断が揺れやすい部分でもあります。

この記事では、複数の本部を同じものさしで比べるための評価シートを、お金・サポート・契約・実績と情報開示・相性と運営方針の5カテゴリ、合計25項目にまとめました。各項目には「なぜ確認するのか」「どうやって確認するのか」「説明会や個別相談でそのまま使える質問例」「○を付ける目安」を添えています。教員や塾講師として教育に携わってきた方、会社員として培った経験を生かして独立を考えている方が、資料を読み比べたり面談に臨んだりするときに、手元に置いて使えるように構成しました。

各カテゴリの最後には、京進の個別指導スクール・ワンについて公式情報で確認できる事実を「京進の場合」として添えています。他社の金額や条件は載せていません。比べる相手の数字は、各本部の資料や面談で直接確かめてください。

本部選びでつまずきやすいパターン

評価シートの項目に入る前に、本部選びで起こりうる判断の偏りを確認しておきます。いずれも、確認する範囲と順番を先に決めておくことで防げるものです。

開業時の金額だけで比べる

加盟金や初期費用は最初に目に入る数字ですが、比べるべきは開業から契約が終わるまでの負担の全体です。開業時に払うもの、毎月払い続けるもの、契約の終わりに発生しうるものに分けて並べると、開業時の金額の差が全体の中でどの程度の意味を持つのかが見えてきます。評価シートのお金と契約のカテゴリは、この考え方で項目を立てています。

収支モデルを自分の見込みとして受け取る

本部の資料にある売上や年収の目安は、特定の時点・特定の対象の教室データから作られた参考値です。自分が開く教室の地域、物件、生徒数の見込みとは前提が異なります。数字の大きさより、前提条件が示されているかを確かめることが、比較の出発点になります(項目18)。

契約書を署名の直前に初めて読む

契約期間、中途解約、契約終了後の制限といった条件は、署名した後で変えることが難しい部分です。説明会の話題が費用やサポートに偏ったまま検討が進むと、契約条項を読む時間が足りなくなります。契約書の写しは、検討の早い段階で依頼しておきます(項目15)。

ひとつの本部の説明だけで判断する

比べる相手がいないと、説明された条件が自分にとって妥当なのかを判断できません。複数の本部から同じ質問への回答を集め、同じシートに記入することで、違いが具体的に見えるようになります。

「手厚いサポート」という言葉で判断する

サポートの良し悪しは、言葉の印象では比べられません。誰が、いつ、何を、どの費用負担で支援するのかまで分解して聞くと、本部ごとの違いがはっきりします(項目6〜10)。

評価を始める前に、自分の条件を書き出す
写真: Tosin Olowoleni / Pexels

評価を始める前に、自分の条件を書き出す

本部の良し悪しは、自分の条件と照らし合わせて初めて判断できます。シートに記入する前に、次の順番で自分の条件を書き出しておきます。

  • 手順1 使える資金の上限を決める:自己資金、借入れを考える金額、開業後しばらくの生活費を分けて書きます。
  • 手順2 開業したい地域を決める:自宅からの距離、地域とのつながり、通勤の負担を考えて、候補の地域を挙げます。
  • 手順3 自分の関わり方を決める:教室に立って指導するのか、教室運営と経営の管理に力を入れるのかを考えます。
  • 手順4 教育で大切にしたいことを言葉にする:生徒や保護者に何を約束したいのかを、短い文で書いてみます。
  • 手順5 家族と話し合う:開業準備に使える期間と、家族の協力が得られる範囲を確かめます。

例:「自宅から通える範囲で開業したい」「授業は講師に任せ、自分は生徒・保護者との面談と教室運営に力を入れたい」という条件であれば、講師の採用・育成の支援(項目9)とオーナーの役割と働き方(項目23)を重点項目にします。

書き出した条件は、評価シートの横に置いておきます。後で×が付いた項目が出てきたとき、それが自分にとって譲れない条件にかかわるかどうかを判断する基準になります。

評価シートの全体像と記入のルール
写真: cottonbro studio / Pexels

評価シートの全体像と記入のルール

5つのカテゴリと25項目の考え方

評価シートは、次の5カテゴリに5項目ずつを割り当てています。

カテゴリ 見るポイント 項目番号
お金 開業時と開業後に本部へ払うお金と、その条件 1〜5
サポート 開業前から開校後までの支援の範囲と費用負担 6〜10
契約 契約期間・解約・終了後の制限・商圏など 11〜15
実績と情報開示 本部の事業基盤と、数字の示し方 16〜20
相性と運営方針 教育方針、指導の仕組み、オーナーの役割 21〜25

項目を選ぶにあたっては、公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」を参考にしました。このガイドラインは、本部が加盟者を募集する際に開示することが望ましい事項として、加盟者に対する指導の内容・方法・回数・費用負担、加盟に際して徴収する金銭の性質・金額・返還の有無と条件、定期的に支払うロイヤリティの額・算定方法・徴収の時期と方法、契約の期間と更新・解除・中途解約の条件、加盟者の周辺地域への同一または類似業種の出店に関する条項などを挙げています(出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」令和3年4月28日改正、確認日:2026-10-11)。評価シートは、これらの事項に、教育事業ならではの確認点(指導方針や講師の確保など)を加えて作っています。

記入のしかた

各項目は、次の4種類の記号で記入します。

  • ○:書面や具体的な説明で確認でき、自分の条件に照らして納得できた
  • △:説明は受けたが書面で確認できていない、または条件つきで納得した
  • ×:確認できなかった、または確認した結果、自分の条件と合わなかった
  • 空欄:まだ確認していない

点数を付けて合計で比べる方法もありますが、このシートでは記号で残すことをすすめます。項目ごとの重みは人によって違い、合計が高くても、自分にとって譲れない項目に×が付いていれば判断は変わるからです。記号の横には、根拠(誰から聞いたか、どの書面で見たか)を短くメモしておきます。

確認方法の3つの型

各項目の「確認方法」は、次の3つの型を組み合わせて示しています。

  • 聞く:説明会・個別相談で担当者に質問し、回答をメモする
  • 書面で見る:資料、契約書、重要事項を記した書面で確かめる
  • 現場で見る:既存教室の見学や、既存オーナーの話から確かめる

口頭で聞いた回答は、後で書面に同じ内容が書かれているかを照らし合わせるのが基本です。質問例は、面談の場でそのまま読み上げても失礼にならない言い回しにしています。

評価シート25項目の一覧
写真: RDNE Stock project / Pexels

評価シート25項目の一覧

印刷やメモ用に、全項目を一覧にしました。比べる本部の名前を右側の列の見出しに書き込み、○・△・×・空欄で記入してください。各項目の詳しい確認方法と質問例は、次の節から順に説明します。

お金(項目1〜5)

番号 確認項目 主な確認方法 本部A 本部B 本部C
1 初期費用の総額と内訳 書面で見る
2 初期費用に含まれない費用 聞く・書面で見る
3 ロイヤリティの方式と計算の対象 書面で見る
4 ロイヤリティ以外に続く本部への支払い 聞く・書面で見る
5 割引・特典の条件と期間 書面で見る

サポート(項目6〜10)

番号 確認項目 主な確認方法 本部A 本部B 本部C
6 開業までの流れと本部の担当範囲 聞く
7 研修の期間・内容・対象者 聞く・書面で見る
8 生徒募集の支援と費用負担 聞く・現場で見る
9 講師の採用・育成の支援 聞く・現場で見る
10 開校後の継続支援の体制 聞く・現場で見る

契約(項目11〜15)

番号 確認項目 主な確認方法 本部A 本部B 本部C
11 契約期間と更新の条件 書面で見る
12 中途解約の条件と費用 書面で見る
13 契約終了後の制限 書面で見る
14 商圏の保護と近隣への出店 書面で見る
15 契約前に受け取れる書面と検討期間 聞く

実績と情報開示(項目16〜20)

番号 確認項目 主な確認方法 本部A 本部B 本部C
16 本部企業の概要と事業の歴史 書面で見る
17 教室数・生徒数の示し方 聞く・書面で見る
18 収支モデルの前提条件 書面で見る
19 既存オーナーの声に触れる方法 現場で見る
20 第三者の評価と教育の成果 書面で見る

相性と運営方針(項目21〜25)

番号 確認項目 主な確認方法 本部A 本部B 本部C
21 教育理念と指導方針 聞く・現場で見る
22 指導の仕組みと運営上の裁量 聞く・現場で見る
23 オーナーの役割と働き方 聞く・現場で見る
24 本部との意思疎通 聞く・現場で見る
25 出店エリアと将来の計画 聞く

空欄のまま残った項目は、次の面談で優先して質問するリストになります。一度にすべてを埋めようとせず、検討の段階に合わせて少しずつ記入していきます(進め方は後半の節で説明します)。

お金の5項目(項目1〜5)
写真: Yan Krukau / Pexels

お金の5項目(項目1〜5)

お金のカテゴリでは、開業時に払うものと、開業後に払い続けるものを分けて確認します。目的は金額の大小を比べることではなく、「何に対して」「いつ」「どの条件で」払うのかを、本部ごとに同じ並びで書面にそろえることです。

項目1 初期費用の総額と内訳

本部が示す初期費用(初期投資)の合計には、加盟金のほか、研修費、教材費、教室の設備費などが含まれます。どの費目を合計に入れているかは本部によって違うため、合計額どうしを並べても比較になりません。費目ごとに分解して、同じ並びで比べられる形に直します。

  • 確認方法:費目ごとの金額を書いた資料を受け取り、税込・税抜の表示をそろえます。「〜」と幅のある金額は、最低額になる条件と、金額が上がる要因を聞きます。
  • 質問例:「初期投資の合計に含まれる費目と金額を、税込で一覧にした資料をいただけますか」「金額に幅がある費目は、どのような条件で上がりますか」
  • ○の目安:費目・金額・税の扱いが書面で示されている。合計額だけが示され、内訳が口頭の説明にとどまる場合は△とします。

項目2 初期費用に含まれない費用

学習塾の開業では、教室にする物件の取得費や内装工事費が必要になります。これらは物件の広さや状態、地域によって変わるため、本部の初期費用には含まれていないことがあります。また、開業から生徒数が増えるまでの家賃や人件費、自分の生活費といった運転資金も、本部への支払いとは別に準備が必要です。

  • 確認方法:初期費用に含まれない費目を一覧にしてもらい、物件取得費と工事費は、金額が増減する条件を聞きます。運転資金をどう見積もるかの考え方も確認します。
  • 質問例:「初期費用とは別に必要になる費用を、すべて挙げていただけますか」「物件取得費と内装工事費は、どのような条件で増減しますか」「開業後、収支が安定するまでの運転資金は、どのように見積もればよいですか」
  • ○の目安:別途必要な費目が漏れなく示され、金額が変わる条件について説明がある。

よくある誤解:「初期費用」を開業に必要な資金の全額だと考えてしまうことです。実際には、初期費用に入らない費用と運転資金を足して、はじめて必要資金の見通しが立ちます。融資を申し込む場合も、この全体額をもとに資金計画を作ります。

項目3 ロイヤリティの方式と計算の対象

ロイヤリティは、開業後に本部へ払い続ける対価です。売上に一定の率を掛ける方式、毎月定額の方式、その組み合わせなど、方式は本部によって異なります。率だけを比べるのでは不十分で、「どの売上に率を掛けるのか」という対象の範囲によって負担が変わります。授業料だけが対象なのか、入会金や教材費、諸経費なども含むのかを確かめます。

  • 確認方法:契約書またはロイヤリティの説明資料で、方式、率(または額)、対象となる売上の範囲、支払いの時期と方法を確かめます。
  • 質問例:「ロイヤリティの計算の対象になる売上は、どの費目ですか」「支払いは毎月ですか。どの時点の売上をもとに計算しますか」「生徒数が少ない月にも、最低額のような決まりはありますか」
  • ○の目安:方式・率・対象費目・支払い時期が書面で確認できる。

項目4 ロイヤリティ以外に続く本部への支払い

開業後に本部へ払うお金は、ロイヤリティだけとは限りません。教材の仕入れ、システムの利用料、広告やイベントの分担金、追加の研修費などが、別の名目で発生する場合があります。毎月の負担を比べるには、これらを含めた合計で見る必要があります。

  • 確認方法:開業後に本部へ払う可能性のある費目を、ロイヤリティ以外も含めてすべて挙げてもらいます。費目ごとに、必須か任意か、金額がどう決まるかを確認します。
  • 質問例:「ロイヤリティ以外に、開業後に本部へお支払いする費用はありますか」「教材は本部から仕入れる決まりですか。価格はどのように決まりますか」「広告や集客イベントの費用は、本部と教室でどのように分担しますか」
  • ○の目安:継続して発生する費目と、必須・任意の区別が書面で示されている。

例:ロイヤリティの率が低く見えても、教材の仕入れ義務や分担金が別にあれば、月々の負担は変わります。反対に、率が高めに見えても、その中に教材やシステムの費用が含まれている場合もあります。率の高低だけで判断せず、継続費用の合計で比べます。

項目5 割引・特典の条件と期間

加盟金の割引や、一定期間のロイヤリティ免除といったキャンペーンを行っている本部もあります。特典は開業時の負担を下げますが、対象地域、期間、どの時点で適用が決まるのか、特典が終わった後の条件がどうなるのかを確かめないと、資金計画とずれが生じます。

  • 確認方法:キャンペーンの期間・対象地域・適用条件を書面で受け取り、自分の開業予定地と開業時期が対象に入るかを確かめます。
  • 質問例:「このキャンペーンは、申込み・契約・開校のどの時点で期間内であれば適用されますか」「私が開業を考えている地域は対象になりますか」「特典の期間が終わった後の条件を教えてください」
  • ○の目安:期間・地域・適用の判定時点・終了後の条件が、すべて書面で確認できる。

特典の有無だけで本部の良し悪しは決まりません。特典が終わった後の通常の条件で収支が成り立つかを、項目3・4とあわせて確かめておくと、期限に追われて判断を急がずに済みます。

京進の場合(お金)

京進の個別指導スクール・ワンの場合は、次のとおりです。

  • 加盟金は通常275万円(税込)です。開業応援キャンペーン期間中は、275万円(税込)が165万円(税込)、110万円引きになります(京都・滋賀を除く)。
  • 開業応援キャンペーンは2025年3月1日から2027年2月28日まで実施中です。この期間は、加盟金・講師採用費・ロイヤリティの3つの特典に共通です。
  • 初期投資金額の合計は220万円〜です(加盟金・認定研修費・教材・文具費・教室設備費の合計、税込)。この合計は、キャンペーン適用時の加盟金165万円(税込)で計算した額です。内訳のうち、認定研修費は22万円(税込)、教材・文具費は33万円〜(税込)、教室設備費は0円〜(税込)で、教室設備費にはクレジット・リースが利用できます。
  • 工事費・物件取得費は初期投資220万円〜には含まれず、別途必要です(物件により金額は異なります)。
  • ロイヤリティは入会金・京進登録料・授業料・諸経費の10%です。キャンペーン期間中は、生徒20名まではロイヤリティが0円です(最長1年)。20名を超えた分からは通常のロイヤリティが発生します。

京都・滋賀で開業する場合や、キャンペーンの期間外に加盟する場合は加盟金が通常額になるため、初期投資の合計も変わります(項目1・5の確認になります)。ロイヤリティ以外に継続して発生する費用(項目4)や、ロイヤリティの特例が始まる時期と、生徒数が20名を超えたときの計算のしかた(項目3・5)は、個別相談で確かめることをおすすめします。金額の詳細は開業資金・収益モデルのページにまとめられています。

サポートの5項目(項目6〜10)
写真: Ana Kenk / Pexels

サポートの5項目(項目6〜10)

「サポートが手厚い」かどうかは、支援の範囲、担当者、回数、費用負担に分けて具体化すると比べられるようになります。開業前の支援と、開校後に続く支援を分けて確認します。

項目6 開業までの流れと本部の担当範囲

加盟の申込みから開校までには、立地の選定、物件の契約、資金の調達、研修、生徒募集といった段階があります。それぞれの段階で本部が主体となって進めるのか、オーナーが進めて本部が助言するのかによって、オーナーの負担と必要な準備期間が変わります。

  • 確認方法:開校までの流れを段階ごとに説明してもらい、各段階での本部の役割とオーナーの役割を書き分けます。
  • 質問例:「開校までの流れの中で、本部が担当すること、私が担当することを、段階ごとに教えてください」「物件探しや融資の申込みで、本部はどこまで支援してくれますか」「申込みから開校まで、どのくらいの期間を見込めばよいですか」
  • ○の目安:段階ごとの役割分担が資料で示され、準備期間の目安について説明がある。

立地については、本部がどのような情報をもとに商圏を判断しているのかも聞いておくと、出店判断の考え方が見えてきます。この点は項目25(出店エリア)の確認にもつながります。

項目7 研修の期間・内容・対象者

研修は、本部の運営ノウハウを受け取る最初の機会です。期間の長さだけでなく、誰が受けるのか(オーナー本人、教室長、講師)、何を学ぶのか(指導、保護者面談、教室運営、数字の管理)、開業後にも研修があるのかを確認します。研修費が初期費用に含まれるかどうかは、項目1で確かめます。

  • 確認方法:研修の日程と内容を資料で受け取り、開業後の研修や勉強会の有無も聞きます。
  • 質問例:「加盟後の研修は、どのような内容を、どのくらいの期間で行いますか」「教室長や講師向けの研修はありますか」「開校後に受けられる研修や、運営について学び直せる場はありますか」
  • ○の目安:研修の日程・内容・対象者が資料で確認でき、開業後に学ぶ機会についても説明がある。

よくある誤解:研修期間が長いほど安心だと考えることです。大切なのは期間の長さより、開業時に必要な業務が研修内容に含まれているか、開業後に疑問が出たときに学び直せる仕組みがあるかです。

項目8 生徒募集の支援と費用負担

開校直後の生徒募集は、開業初期の収支を大きく左右します。本部がどの段階で、どの手段(チラシ、ウェブ、イベントなど)を、どの費用負担で支援するのかを確認します。支援が開校前だけなのか、開校後の募集時期にも続くのかも分かれ目です。

  • 確認方法:開校前後の募集計画の例を見せてもらい、本部が負担する費用と教室が負担する費用を分けて聞きます。既存教室のオーナーから、実際の支援の中身を聞けるとより確かになります。
  • 質問例:「開校前の生徒募集で、本部が実施・負担してくれることは何ですか」「開校後の募集時期にも支援はありますか」「募集にかかる費用のうち、教室の負担になるものを教えてください」
  • ○の目安:開校前と開校後の支援内容と費用負担が、書面または具体的な説明で確認できる。

項目9 講師の採用・育成の支援

個別指導の教室では、生徒数が増えるほど、オーナー以外の講師が授業を担う場面が増えます。講師を集められるか、育てられるか、続けてもらえるかは、教室の運営に直結します。公正取引委員会のガイドラインも、本部が営業時間や臨時休業について説明する際、募集する事業で人手不足などが生じているような場合には、その時点で明らかになっている経営に悪影響を与える情報を示すことが望ましく、人手不足に関する情報を示すときは、類似した環境にある既存店舗の求人状況など、実態に即した根拠ある事実を示す必要があるとしています(出典は前掲)。

  • 確認方法:求人の方法と費用負担、講師向けの研修や指導の手引きの有無、既存教室での講師の集まり方を聞きます。
  • 質問例:「講師の募集には、どの媒体を使い、費用はどちらが負担しますか」「採用した講師の研修は、本部と教室のどちらが行いますか」「私が開業を考えている地域では、講師の採用状況はいかがですか」
  • ○の目安:求人の手段と費用負担、講師育成の仕組みが説明され、地域の採用状況についても具体的な情報が得られる。

項目10 開校後の継続支援の体制

開校後は、生徒数の伸び悩み、退塾、講師の欠員、保護者からの相談など、さまざまな課題が出てきます。そのときに誰に、どの方法で相談でき、どのくらいの頻度で本部の担当者と話す機会があるかが、継続支援の中身です。ガイドラインでも、経営不振となった場合の本部による経営支援の有無とその内容は、開示が望ましい事項に含まれています(出典は前掲)。

  • 確認方法:担当者の体制(担当者がひとりで受け持つ教室の数など)、訪問や面談の頻度、相談の窓口と受付時間、経営が厳しくなった場合の支援を聞きます。
  • 質問例:「開校後の担当者は決まっていますか。訪問や面談はどのくらいの頻度ですか」「急ぎの相談は、どこに、どの方法で連絡すればよいですか」「生徒数が計画を下回った場合、どのような支援がありますか」
  • ○の目安:担当体制、面談の頻度、相談の経路、経営不振時の支援が具体的に説明される。

担当者の頻度や体制は、本部の説明と既存オーナーの実感が一致しているかで確かめられます。項目19(既存オーナーの声)とあわせて確認してください。

京進の場合(サポート)

京進の個別指導スクール・ワンの場合は、次のとおりです。

  • 加盟から開校までは、1.個別相談・社長面談、2.エリア立地選定・物件提案、3.融資・開業サポート、4.研修サポート、5.生徒募集のバックアップ、6.開校後も継続サポート、という6ステップで進みます。
  • 開業支援サポートパックは、開業支援・生徒募集・顧客面談同席・教室装飾・講師募集採用・集客イベント・映像授業の7項目からなり、主な支援を無料で提供しています(範囲は項目ごとに異なります)。
  • 講師採用費は、募集初年度は0円になる支援があります(詳細は開業資金のページで確認できます)。

サポートパックの各項目で無料になる範囲と、範囲外となる費用は、項目8・9の確認として個別相談で確かめてください。開業までの流れの詳細はサポート体制・開業までの流れのページで確認できます。

開業資金の内訳、キャンペーンの適用条件、サポートパックで無料になる範囲を、ご自身の開業予定地と時期にあてはめて確かめたい方は、資料請求・個別相談をご利用ください。

契約の5項目(項目11〜15)
写真: Yan Krukau / Pexels

契約の5項目(項目11〜15)

契約のカテゴリは、署名した後では変えにくい条件を扱います。契約書の該当する条項を自分で読み、分からない言葉は質問し、必要に応じて弁護士などの専門家に見てもらう時間をとります。

項目11 契約期間と更新の条件

フランチャイズ契約には期間が定められ、満了時に更新するかどうかの手続きがあります。契約期間の長さは、初期投資を回収する計画や、何歳ごろまで教室を続けたいかという人生設計と直結します。

  • 確認方法:契約書で、契約期間、更新の手続き、更新時に費用(更新料など)が発生するか、本部が更新を拒める条件があるかを確かめます。
  • 質問例:「契約期間は何年で、更新の手続きはどのように進みますか」「更新のときに費用はかかりますか」「どのような場合に、契約が更新されないことがありますか」
  • ○の目安:期間、更新の手続き、更新時の費用、更新されない条件が契約書で確認できる。

項目12 中途解約の条件と費用

健康上の理由や家族の事情など、契約期間の途中で教室を閉じる判断が必要になる可能性は、誰にでもあります。中途解約の手続き、予告の期間、違約金の有無と計算方法を、開業前に把握しておくことが大切です。公正取引委員会のガイドラインは、中途解約の条件が不明確だと、加盟者がどの程度の違約金を負担すれば解約できるのかが分からず、解約が事実上困難になるとして、本部が条件を契約上明確にし、募集時に十分説明することが望ましいとしています(出典は前掲)。

  • 確認方法:契約書の解約に関する条項を読み、違約金の計算方法を、具体的な計算の例で説明してもらいます。
  • 質問例:「途中で解約する場合の手続きと、予告の期間を教えてください」「違約金はどのように計算されますか。計算の例を示していただけますか」「病気など、やむを得ない事情による解約の扱いはありますか」
  • ○の目安:解約の手続き、予告期間、違約金の計算方法が契約書で明確で、計算例の説明を受けられる。

計算例を受け取ったら、項目11の契約期間とあわせて、どの時期に解約するとどれだけの負担になるのかを表にしておくと、契約の重さを具体的に把握できます。

項目13 契約終了後の制限

契約が終わった後、一定の期間・地域で同じ種類の事業を行わないことを求める条項(競業避止義務)が、契約書に置かれることがあります。教育経験を生かして独立する方にとっては、契約終了後に自分で塾や個別指導を続けられるかどうかに関わるため、範囲と期間を必ず確認します。教材や生徒情報の扱いも、契約終了時の大切な取り決めです。

  • 確認方法:契約書で、競業避止の範囲(地域・期間・事業の種類)と、契約終了時の教材・看板・生徒情報の扱いを確かめます。
  • 質問例:「契約終了後に、同じ地域で学習塾を営むことに制限はありますか。範囲と期間を教えてください」「契約が終わったとき、在籍している生徒への対応はどうなりますか」
  • ○の目安:制限の範囲と期間、契約終了時の手続きが契約書で具体的に定められている。

項目14 商圏の保護と近隣への出店

自分の教室の近くに同じブランドの教室が新たに開かれる可能性があるかは、生徒募集に直接影響します。ガイドラインは、加盟者の店舗の周辺地域に、本部が同一または類似の業種の店舗を自ら営業したり、他の加盟者に営業させたりできるかどうかについて、契約上の条項の有無と内容、そうした出店計画の有無と内容を、開示が望ましい事項に挙げています(出典は前掲)。

  • 確認方法:契約書に商圏(テリトリー)の保護についての条項があるか、ある場合はその範囲を確かめます。条項がない場合は、近隣への出店をどのように判断しているのかを聞きます。
  • 質問例:「私の教室の周辺に、同じブランドの教室が出店されることはありますか。契約上の取り決めはありますか」「近隣への出店を判断するとき、既存教室の意見を聞く仕組みはありますか」
  • ○の目安:商圏に関する条項の有無と内容が契約書で確認でき、近隣出店の判断の考え方が説明される。

項目15 契約前に受け取れる書面と検討期間

契約書を署名の当日に初めて見るのでは、内容を十分に検討できません。ガイドラインは、本部が、加盟希望者が契約の締結について十分に検討できる期間を置いて、重要な事項を記載した書面を交付し、説明することが望ましいとしています(出典は前掲)。加盟金の返還の有無と条件も、この段階で確かめておきます。

  • 確認方法:契約書の写しと、重要事項をまとめた書面を、契約日より前に受け取れるかを聞きます。受け取ったら、専門家に相談する時間も含めて検討の日程を組みます。
  • 質問例:「契約書の写しと、重要事項を説明した書面を、契約の前にいただけますか」「契約前に、専門家に内容を確認してもらってもよいですか」「契約後に開業を取りやめた場合、加盟金は返還されますか」
  • ○の目安:契約前に書面を受け取ることができ、検討の時間をとることに本部が前向きである。

よくある誤解:キャンペーンの期限が近いことを理由に、書面を読み込まないまま契約を急ぐことです。期限があっても、書面を読み、疑問を解消してから判断するという順番は変えないことが、後悔しない選び方につながります。

京進の場合(契約)

京進の個別指導スクール・ワンの契約期間、更新、中途解約、競業避止、商圏といった契約条件については、本記事では扱っていません。検討する場合は、契約書と書面で確かめてください。

  • 加盟から開校までの最初のステップは「個別相談・社長面談」です。この段階で質問できるよう、項目11〜15の質問例を準備しておくと、確認を早めに進められます。
  • 個別相談は個別相談フォームから、資料請求は資料請求フォームから受け付けています。
実績と情報開示の5項目(項目16〜20)
写真: Arthur Krijgsman / Pexels

実績と情報開示の5項目(項目16〜20)

このカテゴリでは、本部の事業基盤と、本部が示す数字の「示し方」を確認します。数字の大小だけでなく、いつの、何を対象にした、どう計算した数字なのかが示されているかが、情報開示の姿勢を見る手がかりになります。

項目16 本部企業の概要と事業の歴史

加盟すると、長い期間にわたって本部と一緒に事業を続けることになります。本部企業の創業時期、フランチャイズ事業の運営年数、上場の有無や財務情報の開示状況は、本部が事業を続けていく基盤を見る材料です。年数の表記には、会社の創業からの年数、そのブランドの運営年数、指導ノウハウの蓄積年数など、対象の異なる数字が混ざることがあるため、何の年数かを書き分けて記録します。

  • 確認方法:会社概要、沿革、上場企業であればIR情報を確認し、資料にある年数がどの対象を指すかを確かめます。
  • 質問例:「資料にある年数は、会社の創業からの年数ですか、それともこのブランドの運営年数ですか」「フランチャイズ事業を担当する部署の体制を教えてください」
  • ○の目安:会社概要と沿革が公開され、年数や規模を示す数字の対象が明確である。

項目17 教室数・生徒数の示し方

教室数や生徒数は、ブランドの規模を示す数字です。確認したいのは、その数字がいつ時点のものか、直営教室と加盟教室を分けているか、増えた数だけでなく閉じた教室も含めて推移を示せるか、という点です。

  • 確認方法:教室数・生徒数の時点と内訳(直営・加盟)、過去からの推移を聞きます。閉校の数や理由を質問したときの答え方も、開示の姿勢を見る材料になります。
  • 質問例:「資料の教室数・生徒数は、いつ時点の数字ですか」「直営教室と加盟教室の内訳を教えてください」「ここ数年で閉校した加盟教室はありますか。主な理由は何でしたか」
  • ○の目安:時点と内訳が示され、閉校を含む推移の質問にも具体的に答えてもらえる。

項目18 収支モデルの前提条件

収支モデルは本部の事業の姿をつかむうえで役立つ資料ですが、読み方を誤ると判断を誤ります。ガイドラインは、予想売上げや予想収益を示す場合は、類似した環境にある既存店舗の実績などの根拠ある事実や合理的な算定方法に基づく必要があり、その根拠を加盟希望者に示す必要があるとしています。既存店舗の平均値などから作ったモデル収益を示す場合は、モデルであることが分かるように明示し、厳密な意味での予想売上げではないことが十分に理解されるようにする必要がある、ともしています(出典は前掲)。

  • 確認方法:収支モデルについて、データの時点、対象(直営教室か加盟教室か、どの範囲の教室か)、算定方法、契約上の扱い(保証されるものかどうか)を確かめます。
  • 質問例:「この収支モデルは、いつ時点の、どの教室のデータをもとにしていますか」「売上と利益は、どのような方法で計算していますか」「私が考えている地域や物件の条件では、どの数字がどのように変わりそうですか」
  • ○の目安:時点・対象・算定方法と、保証されない参考値である旨が明示されている。

よくある誤解:収支モデルに示された年収を「開業すれば得られる額」と受け取ることです。正しくは、ある時点・ある対象の平均的な姿を示した参考値です。自分の計画は、地域・物件・生徒数の見込みから別に組み立て、モデルとの違いを個別相談で確かめます。

項目19 既存オーナーの声に触れる方法

本部の説明が実態と合っているかを確かめる手段として、既存オーナーの話はとても貴重です。インタビュー記事を読む、教室を見学する、オーナーと直接話す、といった方法があります。ウェブサイトや広告に載っている体験談には、本部が取材・掲載したものもあるため、誰がどの立場で発信しているのかを意識して読みます。

  • 確認方法:公開されているインタビューを読み、自分と経歴や条件が近いオーナーを探します。そのうえで、既存オーナーと話す機会や教室見学を設けてもらえるかを本部に聞きます。
  • 質問例:「既存のオーナーの方とお話しする機会をいただけますか」「教室を見学させていただくことはできますか」「私と経歴が近いオーナーの方はいらっしゃいますか」
  • ○の目安:インタビューが公開されているだけでなく、オーナーとの面談や教室見学の機会がある。

オーナーに話を聞くときは、項目9(講師の採用)や項目10(開校後の支援)のように、本部の説明だけでは確かめにくい項目を中心に質問すると、限られた時間でも得るものが大きくなります。

項目20 第三者の評価と教育の成果

本部の自己評価だけでなく、業界団体への加盟状況、外部からの表彰、教育の成果として示せる実績も、比較の材料になります。これらは本部の自己申告とは別の視点として、シートに記録しておく価値があります。合格実績などの成果は、どの年度の、どの入試区分や範囲の実績なのかを確かめます。

  • 確認方法:業界団体への加盟状況、受賞歴、合格実績などを、対象と年度を含めて確認します。
  • 質問例:「掲載されている合格実績は、どの年度の、どの範囲の実績ですか」「業界団体には加盟していますか」
  • ○の目安:外部からの評価や教育の成果が、対象と年度を付けて示されている。

京進の場合(実績と情報開示)

京進の個別指導スクール・ワンの場合は、次のとおりです。

  • 京進は1975年創業です。京進の個別指導スクール・ワンは30年の歴史を歩んできました。
  • 40年以上培ってきた京進の指導実績データに基づき、合格プログラムが作成されています。
  • 京進は東証スタンダードに上場しています。また、JFA(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会)の正会員です。
  • 収益モデルは開業資金・収益モデルのページで確認できます。この収支モデルは、全国直営教室のデータを基にした参考資料であり、加盟契約上保証されるものではありません。
  • 京進は2018年にホワイト企業アワードを受賞しました。また、2024年度の大学入試総合型選抜・学校推薦型選抜の合格者数は10年連続2,000名を超えています。
  • オーナーインタビューは現在16件が公式サイトで公開されています(確認日:2026-10-11)。

教室数・生徒数の現在の数字と内訳(項目17)や、収支モデルの前提条件と算定方法(項目18)は、個別相談で確かめてください。オーナーインタビューはオーナーインタビューのページで読めます。京進が公式サイトに掲載しているものですので、項目19の考え方にそって、ご自身の経歴や条件に近い方の話を探してみてください。

相性と運営方針の5項目(項目21〜25)
写真: cottonbro studio / Pexels

相性と運営方針の5項目(項目21〜25)

お金・サポート・契約・実績の条件がそろっていても、教育の考え方や働き方が合わなければ、長く続けることは難しくなります。このカテゴリは、本部の方針と自分の考えを照らし合わせるための項目です。

項目21 教育理念と指導方針

本部の教育理念や指導方針は、教室で生徒や保護者に伝える内容そのものになります。教員や塾講師として指導してきた方は、自分が大切にしてきた指導観と本部の方針が重なるかを、具体的な指導の場面で確かめると判断しやすくなります。

  • 確認方法:指導方針の説明を受け、それが授業、面談、教室の掲示物などにどう表れているかを、教室見学で確かめます。
  • 質問例:「指導方針は、授業や面談の中で具体的にどのように表れていますか」「学習法には、どのような根拠や監修がありますか」
  • ○の目安:方針が言葉だけでなく、指導の手順や教材に落とし込まれていることを確認できた。

項目22 指導の仕組みと運営上の裁量

教材、学習システム、映像授業など、本部が提供する指導の仕組みは、教室の指導の質を一定に保つ土台です。一方で、授業料、時間割、講師の配置、地域行事への参加など、どこまでをオーナーが決められるかは本部によって異なります。統一された仕組みに沿うことと、自分の工夫を加えることのバランスが、自分に合っているかを確認します。

  • 確認方法:本部が決めること、オーナーが決められることを分けて聞きます。独自の講座やイベントを企画する場合の手続きも確認します。
  • 質問例:「授業料や時間割は、教室ごとに決められますか」「本部の教材以外の教材を使うことはできますか」「地域向けの独自のイベントを行う場合、本部の承認は必要ですか」
  • ○の目安:本部の決まりと教室の裁量の範囲が、具体的な例とともに説明される。

例:これまでの指導経験から、定期テスト前に独自の対策講座を開きたいと考えている場合、その講座を教室の判断で開けるのか、本部の教材や仕組みの中で行う必要があるのかによって、教室づくりの自由度が変わります。

項目23 オーナーの役割と働き方

オーナーが教室に立って指導するのか、教室長を置いて経営に専念するのか、複数の教室を見るのか。本部が想定するオーナー像と、自分が望む働き方が合っているかを確認します。生徒・保護者との面談、講師の採用と育成、地域での広報など、授業以外の仕事の比重も把握しておきます。

  • 確認方法:開校後のオーナーの典型的な仕事の流れを、既存オーナーの例で説明してもらいます。本部が公開しているオーナーの仕事の紹介があれば、面談の前に読んでおきます。
  • 質問例:「オーナーの主な仕事を、授業以外も含めて教えてください」「教室長を置いて運営する場合、オーナーの役割はどう変わりますか」「教室にいる時間帯は、主にいつごろになりますか」
  • ○の目安:本部が想定するオーナーの役割と、自分が望む関わり方が一致している。

項目24 本部との意思疎通

加盟後は、方針の変更、新しい施策、教材の改訂など、本部からの連絡を受けながら教室を運営します。本部の方針がどのように決まり、加盟者の意見がどう届くのか、担当者や経営陣と話す機会があるのかは、長く続けるうえでの相性に関わります。

  • 確認方法:本部からの情報共有の方法と、加盟者の意見を集める場(会議や面談など)の有無を聞きます。面談の場では、質問に対する担当者の答え方も記録しておきます。
  • 質問例:「本部の方針や施策は、加盟者にどのように共有されますか」「加盟者の意見や要望を本部に伝える場はありますか」「経営陣の方と直接お話しできる機会はありますか」
  • ○の目安:情報共有と意見を伝える経路が具体的に説明され、面談での質問にも率直に答えてもらえた。

項目25 出店エリアと将来の計画

自分が開業したい地域に出店できるか、その地域の需要を本部がどう見ているかは、加盟を決める前に確かめる必要があります。あわせて、将来複数の教室を持てるか、引退を考える時期に教室を引き継ぐ方法があるかなど、自分の長期的な計画と本部の制度が合うかも確認します。

  • 確認方法:希望する地域を伝えて出店の可否を聞き、本部がその地域をどう評価しているかの説明を受けます。複数教室の展開や事業の引き継ぎについての制度も確認します。
  • 質問例:「私が考えている地域に出店できますか。その地域をどのように評価していますか」「将来、複数の教室を運営することはできますか」「教室を家族や第三者に引き継ぐことはできますか」
  • ○の目安:希望地域への出店の可否とその判断理由が説明され、長期的な計画に関わる制度も確認できた。

京進の場合(相性と運営方針)

京進の個別指導スクール・ワンの場合は、次のとおりです。

  • 学習法は東京大学・池谷裕二教授が監修しています。監修内容は、脳科学に基づく「褒めて伸ばす指導」と、学習法「リーチング」です。
  • オーナーの75%は未経験からのスタートです(自社集計による。出典:京進公式サイトのオーナーの仕事のページ)。オーナーの仕事の内容も、同じページで紹介されています。
  • 加盟の最初のステップである「個別相談・社長面談」には社長面談が含まれており、本部の経営者の考え方を直接聞く機会になります(項目24の確認に使えます)。
  • 開業までの6ステップの2番目は「エリア立地選定・物件提案」です。希望する地域の評価(項目25)は、この段階の説明とあわせて確かめられます。

指導方針への共感は、資料を読むよりも、面談や教室の様子から伝わる部分が大きい項目です。学習法の考え方は選ばれる理由のページで紹介されています。

確認の進め方:段階ごとに埋める項目
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確認の進め方:段階ごとに埋める項目

25項目を一度に確かめる必要はありません。検討の段階ごとに、埋めやすい項目から順に進めると、面談の時間を有効に使えます。

  • 手順1 資料請求と公式サイトの確認:項目1・5・16・17・20を、資料と公開情報で埋めます。この段階で分からなかった点を、質問リストにまとめます。
  • 手順2 説明会・個別相談:項目2〜4、6〜10、21〜25を中心に質問します。回答はその場でシートに記入し、書面で受け取れるものは依頼します。
  • 手順3 教室見学・オーナーとの面談:項目8〜10、19、21〜23を、現場の様子と既存オーナーの実感で確かめます。
  • 手順4 契約書と書面の確認:項目3・4、11〜15、18を、書面の条項で確かめます。口頭で聞いた内容と食い違いがないかを照らし合わせます。
  • 手順5 専門家への相談と最終判断:契約書は必要に応じて弁護士などに見てもらい、資金計画は金融機関や税理士などと確認したうえで、最終的に判断します。

よくある誤解:説明会に参加したら、そのまま契約へ進まなければならないと考えることです。説明会や個別相談は、情報を集めるための場です。シートの空欄が埋まり、×の理由が整理できるまで、判断を保留してかまいません。

手順4で口頭の説明と書面の内容が食い違っていた場合は、どちらが正しいのかを本部に確認し、その回答も書面で受け取ります。食い違いが解消されないまま残った項目は、×として扱います。

経歴別:重点的に確かめたい項目
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経歴別:重点的に確かめたい項目

どの項目も大切ですが、これまでの経歴によって、得意な領域と、意識して確認したい領域は変わります。自分の経歴に近い方の項目に印を付け、面談で優先して質問してください。

教員・塾講師として教育に携わってきた方

授業や生徒指導の経験は、項目21・22(指導方針と指導の仕組み)を判断するうえで大きな強みになります。指導の質を見る目があるからこそ、本部の教材や学習法を具体的に評価できます。そのうえで重点的に確かめたいのは、経営にかかわる次の項目です。

  • 項目3・4(ロイヤリティと継続費用):毎月の収支を自分で組み立てる前提になります。
  • 項目9(講師の採用・育成):自分が授業をする立場から、講師を集めて育てる立場に変わります。
  • 項目12・13(中途解約と契約終了後の制限):将来も自分の名前で指導を続けたいと考える場合に、特に重要です。
  • 項目18(収支モデルの前提条件):数字の読み方を、事業計画の作成とあわせて確認します。

会社員として働いてきた方

会社員として培った数字の管理、組織の運営、交渉の経験は、お金(項目1〜5)や契約(項目11〜15)の項目を読み解く力になります。営業や管理職の経験があれば、生徒募集や講師のマネジメントに生かせる場面もあります。そのうえで重点的に確かめたいのは、教育の中身にかかわる次の項目です。

  • 項目7(研修の内容):指導や保護者面談について、どこまで研修で身につけられるかを確かめます。
  • 項目21(教育理念と指導方針):生徒や保護者に、自分の言葉で伝えられる方針かどうかを考えます。
  • 項目22(指導の仕組み):本部の教材や学習システムで、指導の質をどう保つのかを確認します。
  • 項目23(オーナーの役割):教室に立つ時間や、面談・地域活動の比重が、自分の想定と合うかを確かめます。

どちらの経歴でも共通するのは、家族の理解と生活資金の準備です。評価を始める前に書き出した自分の条件と照らし合わせて、重点項目を最終的に決めてください。

複数の本部を並べて判断する
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複数の本部を並べて判断する

シートの記入が進んだら、複数の本部を並べて比べます。比べ方の手順は次のとおりです。

  • 手順1 譲れない項目を決める:自分の条件に照らして、×が付いたら加盟を見送る項目を、比べる前に決めておきます。
  • 手順2 ×の理由を書き分ける:「確認できなかった」のか、「確認した結果、条件が合わなかった」のかを区別します。前者は追加の質問で解消できる可能性があります。
  • 手順3 △を○か×に近づける:口頭で聞いただけの項目は、書面での確認を依頼します。書面で確認できなかった項目は、その理由も記録します。
  • 手順4 カテゴリごとに見る:お金の項目が良くても、契約や相性の項目に×が集中していれば、長く続けるうえでの懸念になります。カテゴリ単位で強みと弱みを書き出します。
  • 手順5 家族や相談相手と共有する:記入したシートを家族や信頼できる相談相手と一緒に見て、自分が見落としている点がないかを確かめます。

例:本部Aは初期費用が抑えられているが、中途解約の条件(項目12)を記した書面が契約前に出てこない。本部Bは初期費用が本部Aより多いが、全項目で書面がそろい、既存オーナーとの面談もできた。この場合、初期費用の差に加えて、本部Aの×が「確認できなかった」ことによるものである点をどれだけ重く見るかが、判断の分かれ目になります。

よくある誤解:○の数が多い本部を選べばよいと考えることです。○の数は目安にすぎず、自分にとって譲れない項目がどうなっているかで判断します。評価シートは、決断を代わりにしてくれる道具ではなく、判断の根拠を残しておくための道具です。

まとめ:評価シートを持って面談に臨む
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まとめ:評価シートを持って面談に臨む

学習塾フランチャイズの本部選びは、お金、サポート、契約、実績と情報開示、相性と運営方針の5つの視点を、同じものさしで比べることから始まります。評価シートの25項目は、説明を聞く順番やその場の印象に左右されず、確認した事実を残しておくための道具です。

京進の個別指導スクール・ワンについても、この記事の「京進の場合」で示した事実に加え、契約条件や継続費用など本記事で扱っていない項目は、資料請求や個別相談で確かめていただけます。評価シートを手元に置いて、気になる項目から質問してください。

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