3.教育情報・本部サポート
今年は高校1年生が大変!?新学習指導要領改訂 高校2022より
2022.05.11
昨年は中学生の指導要領の改訂に伴い、成績表の観点が変わったという内容について、記載させていただきました。今年度は高等学校で新しい学習指導要領に改訂となります。
まずは、左の表をご覧ください。
(左:新学習指導要領 右:旧学習指導要領)
冗談のような本当の話ですが、これまで「コミュニケーション英語」(愛称:コミュ英)という科目名が「英語コミュニケーション」(愛称:英コミュ?)に変更されています。
勿論、変更点はそれだけではなく、内容的にも注意が必要なものが多くあります。
今回は簡単に注意すべき変更点をまとめてみたいと思います。

≪科目ごとの大きな変更点≫
~英語~
2本柱構成自体は変わりません。「英語コミュニケーション」と「論理・表現」という上述の名称変更はともかく、英語で注意すべき点は高校3年間で習得すべき語数の増加です。
これまでの1,800語から今回の改定により1,800語~2,500語に変更となりました。
(※数字の幅については、採択教科書によって収録単語数には相当の数の違いがあるため、これほど大きな数の差になっています。)
これは高校卒業段階までに習う語数で考えると、旧指導要領下では約3,000語だったのに対し、現行の改訂で4,000語~5,000語と大幅に増えることになります。
また、高校修了時にCEFRでB1~B2の力をつけるという、具体的な目標も定まりました。

~数学~
科目数、単元の内容や移行、単位数など、大幅な変更がありました。
「数学活用」が廃止され、「数学C」が新設されました。単位数にも変更があります。
以前の「数学Ⅲ」は5単位でしたが、<複素数平面>が「数学C」に移動するため、新しい「数学Ⅲ」は3単位になります。また新設の「数学C」には、「数学Ⅲ」から移動した<複素数平面>だけではなく、「数学B」から移動した<ベクトル>が学習内容に含まれることになるので、生徒さんの実質的な負担は大きくなると思われます。
内容的に変化はありませんが、「数学A」では<図形の性質>が冒頭に出てくる教科書もあり、これまで1学期は計算分野が中心だった学習内容にも注意が必要でしょう。
共通テストなどで上記内容が反映されるのは、2025年1月実施の入試からです。
現高2生・高3生はこれまで通りの科目群ですので、ご注意ください。

~社会~
高等学校の社会は地理・歴史と公民に分けられますが、どちらも大きな変更がありました。
これまでの地理・歴史では「世界史A」、「世界史B」のうちから1科目選択、「日本史A」、「日本史B」、「地理A」、「地理B」から1科目選択の合計2科目を必履修としていました。
新学習指導要領下では、A・Bといった構成が廃止され、「地理総合」「歴史総合」を新設し、必履修科目として設定。
さらに発展的な学習科目として「地理探求」「日本史探求」「世界史探求」も新設されました。
公民はこれまで「現代社会」「倫理」「政治・経済」の中で1科目を必履修として設定していましたが、今年度からは、「現代社会」がなくなり、新しく「公共」が加わりました。
さらに必履修科目は「公共」となり、「政治経済」・「倫理」が選択科目になりました。

~情報~
あまり馴染みがない科目かもしれませんが、新学習指導要領において「情報Ⅰ」が必履修科目として新設されました。数学のところでも触れましたが、2025年1月実施の共通テストより、「情報」が加わり7教科21科目に改革される予定です。
大学入試センターでは、サンプル問題が掲載されていますので、参考にしてみてください。

今回は変更の大きかった内容を中心にお伝えしました。
ほかにも国語では「現代文」という名称は使われなくなり、「現代の国語」と名称変更がありましたが、なかなか浸透するのは難しそうですね。
この記事がUPされるころは、GW連休も明け、学校の授業が本格化される頃と思います。我々フランチャイズ本部としても、現場と連携して情報を集めていきます。安心してご検討ください。 ≪東日本ブロック 遠藤≫