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学びに近道はない
2022.04.082020年から学校現場は大きく変わろうとしてきている。
文部科学省のホームページをご覧になった方はすでにお分かりかと思うが新学習指導要領リーフレットのデザインは一般の保護者の方が読まれることを意識したものになっている。
『子供の未来を支える皆さまと共有したい 新しい学習指導要領生きる力 学びの、その先へ 』
など、まるで塾のキャッチコピーかと見まがうキャッチフレーズも冠している。
そして以下にあるように保護者の働きかけにまで言及している。
またそのリーフレットには『学校で学んだことが、明日、そして将来につながるように、 子供の学びが進化します。新しい学習指導要領、スタート。』と記されている。
長年、教育に携わってきた私にとってこの聞き心地の良い台詞がストンとは腑に落ちない。私が受験生時代を過ごしたのは昭和40年代から50年代前半。
「4当5落、3当4落」(要するに寝ないで勉強しないと大学受験は成功しないと言う意味で使われていた)や「受験地獄」と言うフレーズも長く言われていた。
そこまでして勉強しても大学に入る以外何も役立っていない、ましてやその受験に失敗すればそれこそすべてが無駄である。(私はそれ自体には否定的なのだが)
だから、その後、何度も学習指導要領が変更されてきた。
そして行き着いたのがこの新学習指導要領。
様々なアプローチや工夫がなされており評価はできると思うが冒頭のこの台詞は引っかかる。
「学び」とは明日や将来に必ず繋がる必要があるのだろうか。
とりわけ「明日」からの変化を目指す「学び」を作ることに危うさを感じるのである。
「すぐに役立つこと以外は無駄、成果が出ないと無駄」ビジネスの世界では常識かもしれないが、「学び」についてはもう少し寛容であって欲しいと私は考える。
学ぶと言う言葉をデジタル大辞泉で調べると
1 勉強する。学問をする。
2 教えを受けたり見習ったりして、知識や技芸を身につける。習得する。
3 経験することによって知る。
4 まねをする。
と記されている。
この辞書に記された意味の中に私が感じ取ることは学ぶことには時間が必要だということ。
長い年月を経て学びの価値を知ること、学ばなかったことの後悔をすること。
そのような類のものだ。
『高校時代にあれだけ無意味だと思っていた受験勉強が、その後の自分を作ってくれた一部である。あの無意味に思った受験のための知識が自分の物の見方、考え方、感じ方の基礎を作ってくれている。』
そう実感できたのは高校卒業から40年以上経った今である。
もちろん2020年からスタートした新学習指導要領には期待はしているが、他方、子どもたちの成長には時間のかかる「学び」が重要だと肝に銘じて教育に携わっていきたい。
2022.03.23 撮影
FC事業部 蒲谷
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