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出る杭を造る
2021.11.10ノーベル物理学賞を受賞された真鍋淑郎先生が日本からアメリカに国籍を変えた理由を記者に聞かれ、 「私は他の人と調和的に生活することができないからです」と答え、日本人の調和的な関係を重視する気質が自分には合わないという背景やアメリカでの研究のしやすさなどを理由に挙げられていました。
その話を聞いて私は、「たまご落とし」の授業で有名な生田幸士先生(東京大学名誉教授)の若かりし日のご自身の研究について話をされていたことを思い出しました。
『日本では私の研究は「君の発想はユニークで面白い。でも前例がないので君に協力できない」と言われ続けていたのですが、カリフォルニア大学サンタバーバラ校ロボットセンターの研究所長に会って説明したところ「こんな研究をやっている人はいない。おもしろい」と研究員としての採用が即決したのです。それから2年間その研究所で働きました。』と講演会でお話されていました。
どうやら日本という国は研究者には暮らしにくい国のようです。日本人の長所とされる調和性は出る杭を好まない国民性を生むのでしょう。一方、研究や発明そして未来が要求するイノベーションはまさしく出る杭を求めているのです。
出る杭を教育で造ることは不可能です。しかし、「杭を太く、強くする」ことは教育の分野ではないかと私は考えます。すなわち、確かな学力とその学力を基盤に培われた発想力を育むこと、これは子どもの頃からの学び方で身につくものだと思います。
答えを重視するのではなくそのプロセスを重視する。私は保護者の方々にそのことを説明するのに「国語を教えるのではなく、国語で教えるのです。数学を教えるのではなく、数学で教えるのです。」と切り出し、プロセスの大切さをお伝えしています。
最近の子ども達、いや大人でさえも正解を求めます。しかしながら、長い人生において正解が一つということはそんなに数多くはありません。だからこそしっかりとしたプロセスをどのように組み立てていくか、教育の場ではそれを子どもたちに国語の授業で、数学の授業で会得してもらうのです。幸い学校の勉強はその先に正解があります。しかし、それはプロセスの残骸でしかないのです。
生田幸士先生の「たまご落とし」は東大に入学した生徒たちに生卵1つ、A4のボール紙1枚、木工用ボンド1つを使って30メートル下に落下させ、割れなければ成功というものです。
ルールは1つ自分の頭で考える、調べてはいけないということだけです。小学生から大学生まで平等に自分の頭で考えることができる特別な授業です。そしてその光景はまさしくプロセスを楽しむことに年齢は関係ないと教えてくれます。
我々の提供する学習もそのようにありたいと思います。自分の頭で考え、プロセスを楽しむ。その経験が「杭を太く、強くする」ことにつながると私は信じています。
FC事業部 蒲谷
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